希望前進大会の感想

200万を殺害したと言われるポルポト政権で
下級指揮官だったフン・セン首相が韓鶴子総裁と共に
オンライン演説をしていました


フン・セン首相に関する経歴の詳細は反ポルポトとして数十年に渡る内戦を終結させ
初めて民主的な選挙を率いた人物として言われていますが
実際は武力によるクーデターで権力を握り
以来、三十年以上権力の座に着いています


ポルポト政権の解体後
当時、国連事務総長代理の明石康氏はカンボジア暫定統治機構を率いて
初めての民主的選挙を行い
日本も少なからずカンボジアの民主化に大きな貢献をしたのです


その明石氏は
「カンボジアは民主化に逆行する独裁的な政策を加速させている」という
日本のカンボジア援助に対して否定的な提言書を外務省に出しました


ODAと言われる日本の政府開発援助金は開発途上国や最貧国に支援と言う形で
予算化されるのですがカンボジア政権においての援助は国民ではなく
独裁政権擁立の援助になる可能性が高いと言うことでした


事実、民主化で大きく議席を伸ばしていた野党のカンボジア救国党の幹部は
フン・セン首相によって次々と逮捕され投獄させられました
そのことを民主化の危機として報道するメディアも弾圧を受け
強制的に会社を封鎖されています


また民主化を叫ぶ非政府組織に対しても法改正をして
あの香港のように表現や結社の自由を縛る監視体制を敷いたのです


その後、幹部が投獄された野党のカンボジア救国党は
反政府団体として解党させられ2018年に行われた選挙では
フン・セン首相率いるカンボジア人民党が大勝利して事実上の
一党独裁国家になったのです


EU(欧州連合)はこうした強権政治がポルポトの悲劇を生んだことを踏まえて
カンボジアに対して経済制裁を検討していますが
フン・セン首相は意に介さないばかりか共産中国から巨額な投資や援助を受け
まさに中国にべったりの政策を行っているのです
南シナ海における領有権争いや台湾問題も含めてフン・セン首相は
共産中国を全面的に支持することを表明しています


権力の地位に固執するこうした独裁的手法は反対派を力で
弾圧してきたのが歴史の悲劇でした
表現の自由を奪い自分たちの権力を維持しようとするこのような首相を
演壇に招待して「平和な希望前進大会」と称して大会を開催し
勝利と喜んでいる家庭連合の指導者はまさに偽善者そのものです


現職の首相、前大統領、政府の高官、宗教界のトップ
いつも名前だけを大きく見出しに掲げて
彼等の実際の意図や実情には言及せず
地位さえ持っていれば良いという、このVIP信仰が
どれ程、信徒に対して事実を歪曲して伝えてきたことでしょうか


世界中が全て韓鶴子総裁を支援し受け入れているかのような
錯覚と幻想を信徒に与えるための大会を開くのではなく
もし本当に平和を願うのなら何よりも国民の自由な表現を弾圧する
フン・セン首相にこそいうべきです


「あなたの国民を弾圧するのではなく、自由を与え、何よりも神の前に
彼らの人権を守らなければなりません」と


これこそが本当の「平和は私から」なのではないのでしょうか

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