人間は誰もが家族という最小の共同体から人生を始めます
親と子の間に流れる情の深さは子供がまさに親の分身だからです
この家族愛を拡大していけば理想天国が作れるというのが統一運動です

ではこうした家族主義は今初めて提唱されたことなのでしょうか？

日本航空が破産申告をして国の管理下に置かれた時
立て直しのために抜擢された京セラの創業者の稲盛氏は
日航再生の為の企業理念に「家族のような全社員の物心両面の幸福」を最優先にしました

其れまでの「親方日の丸」の責任の所在が見えない官僚的な経営から
会社経営を一部の上層部のみで行うのではなく
すべての社員が経営に参画しているという共有意識を持てるよう
各部門をアメーバのように細分化し会計管理を透明にした独立採算性を採用したのです

稲盛イズムと言われるこのアメーバ経営は会社を家族のように扱うので
官僚的な縦割りからお互いを助け合う横のつながりが強固になるといいます
縦割りの官僚的経営から横のつながりと細分化した責任体制を導入することによって
会社内の一体感が生まれ数年後に日本航空は見事に再生しました

百田尚樹の小説にベストセラーになった「海賊と言われた男」のモデルとなった
出光興産の創始者、出光佐三氏も何よりも一人ひとりの人間を尊重し
「大家族主義」を経営の根幹に於いていたことで知られています

出勤簿も定年もなく労働組合もない出光佐三の経営方針は
時代遅れの経営だと何度も言われたようですが未だに一流企業として上場しています

その出光が危機に陥った時でした

社員は寝る暇もないほどに損得を抜きにして身を粉にして働いたのです
彼等は会社を拡大された家族のように思っていましたから
会社と自分たちは一体であり会社の経営が危機に陥れば
利害関係を超えて働くのは当然のことだと思っていたのです
また会社はどれ程不況になっても自分たちを見捨てるはずはない
ということを社員は知っていたのです

能力中心主義の市場経済優先の競争社会で社員を家族のように思い
彼等の生活を何よりも尊重し家族主義の伝統を維持しながら
現在も成功していることは特筆すべきものです

統一運動は「世界を一つの大家族にする」と教えます
アダム国家の韓国とエバ国の日本は父母の立場だと何度も言われてきました
母の国日本の使命は教育と具体的にはお金による貢献でした

戦後の驚異的な経済復興は神がエバ国として摂理の中心国家に
置いたからだと教えられ、まさに身を粉にして万物復帰と言う名のもとに
ありとあらゆる方法でお金を稼いだのです

元より社会的地位もない若者が多額の収入を得るために通常の会社勤めでは
不可能なことは初めから明らかなことでした
異常な価格を付けた物品販売が社会問題になったことは誰もが知るところです

日本からの多額な送金先の韓国ではそのお陰で多くの会社や学校、病院等、
立派な建設物が立てられ今ではその中心に豪華な王宮施設まで建てられました

日本の信徒の汗と涙で建立された宮殿は、しかし、家族の為の施設ではなく
限られた特権層だけが住むことのできる施設だったのです
献金摂理の実態は社会から叩かれ信用を失うまでに惨めな姿になった
母の国だけが働き続け、父なる韓国はその実りだけを享受したのです

「侍る」と言うコトバで象徴される「孝情文化」とは
儒教的上下関係を意味する滅私奉公だったのです
その証拠に母の国を代表した信徒がどれ程生活に困窮しても
支援も補償もなくひたすら父の国、韓国に孝情を見せることが
統一運動のいう家族主義だからです

出光佐三氏を社員は店主様と呼んで慕っていました
社員の子供たちは「おじいちゃん」と呼んで
会社の行事では社員の子供たちに対しても社長自らが
まるで自分の孫に接するかのように手にプレゼントを抱えて
子供たちに配ったそうです

統一信徒の子供たちは「おばあちゃん」と呼ぶことも出来ずに
未だに「お母様」と最大級の敬称で恭しく侍るだけなのです
日本の幹部たちは永遠の命の大切さを口で言うばかりで
一人ひとりの生活の実態を振り返ることもなく
自分たちが王族や皇族として天寶苑に入籍させてもらうことに
先を争っているのです

中国におもねる事大主義が韓国の伝統なら日本の家庭連合の幹部は
一人残らずその事大主義の伝統だけは引き継いでいるようです

日本には社員を家族として大切にする企業や組織が沢山あります
彼等に向かって
「私たちの運動は民族を超えた一大家族主義を造ることなのです」と
声を上げて言えるのでしょうか？

韓国の家族主義とは特定の人間に対して従順に侍り
孝情を示すことが理想家族の在り方なのでしょうか？
ならば統一運動の未来は共生・共栄ではなく強制・享栄の両班支配の悪しき
李氏朝鮮王朝の再現になってしまいます
事実、日本の指導者には韓国人が多くいても
韓国の指導者には一体何人の日本人がいるのでしょうか？

日本からの償い献金を今も変わらずに期待する清平の統一本部

外的な現象は内的な中心からの写しだというのなら
「天の父母様聖会」とは母親に過酷な労働をさせ
父親はその利益を享受する構図はそっくりそのまま
今の北朝鮮と韓国に当てはまります

核で脅し、日本からの賠償金を国の復興に充てようとする北朝鮮
国同士の条約を反故にし、執拗に賠償金を今も請求する韓国

２０２７年に天一国国家が復帰されるそうですが
韓国の大統領も金一族もその時には真の母の前で恭しく参拝敬礼をし
孝情を示しながら「侍る」のでしょうか？