天皇に見る 真の王とは

何故日本の皇室が2600年も続いてきたのでしょうか?
世界の王朝歴史では奇跡と言われています


日本人は自分の国の元首制がどのようなものなのか
本当に分かっているのでしょうか?


一般に王と言う名称で思い浮かべるのは
冠を被り権力と権威をもって国民を治めるイメージですが
日本の天皇の場合は国民の幸を祈る大祭司の立場なのです


血統を重要視してきた天皇家は
日本民族にとっては父母の位置ともいえます


1945年ポツダム宣言を受諾して
悲惨な戦争に終止符が打たれました。


天皇が語った玉音放送の中にこういう言葉があります


「皇祖皇宗の神霊に謝せむや」


これは神から預かった「大御宝」である国民を
戦争で失ってしまったことに対する
最高祭主としての国民に対する謝罪と悔い改めの言葉でした


日本の占領政策に着手した最高司令官の
ダグラス・マッカーサーと会合したときの
有名な天皇の言葉です


「私は、日本の戦争遂行に伴う、いかなることにも
また事件にも全責任をとります。
又私は日本の名において成された全ての軍指揮官
軍人及び、政治家の行為に対しても直接の責任を負います。
自分自身の運命について貴下の判断がいか様のものであろうとも
それは自分には問題ではありません。
構わずに総てのことを勧めていただきたい。
私は全責任を負います」


この言葉にマッカーサーは驚きました。
多くの歴史上の国王と同じように
自分の命を助けてもらいたいと
命乞いに来ると思っていたからです。


マッカーサーはこの時の会見を後の回想録に
このように記しています


「私は大きな感動に心が揺さぶられた
死を伴うほどの責任、諸事情を知り尽くしている状況に照らしても
明らかに天皇が負うべきでない責任までも引き受けようとされた
この勇気に満ちた態度に私の骨の髄までも揺り動かされた
かつて戦いに敗れた国の元首でこのような言葉を述べられたことは
世界の歴史の中にも前例のないことと思う」


その後、1975年、初めてアメリカを訪問したとき
天皇はアメリカ国民に対して以下のような言葉を
晩さん会で述べています


「私は多年、貴国訪問を念願しておりましたが、
もしそのことがかなえられた時には
次のことをぜひ貴国民にお伝えしたいと思っていました。
と申しますのは、私が深く悲しみとする、
あの不幸な戦争の直後、貴国が我が国の再建の為に、
温かい好意と援助の手を差し伸べられたことに対し、
貴国民に直接感謝の言葉を申し述べることでありました。
当時を知らない新しい世代が、今日、
日米それぞれの社会において過半数を占めようとしています。
しかし、例え今後、時代は変わろうとも、
この貴国民の寛容と善意とは、日本国民の間に
長く語り継がれていくものと信じます」


天皇は何に感謝したのでしょうか?


敗戦後の日本人が最も苦労した問題は食糧難でした
国民の窮乏は限界に近く
天皇は皇室の御物を全てアメリカに渡し
その代わりに飢餓に苦しむ国民に食料をと、
侍従に目録を造らせアメリカに提供しようとされたのです


しかしマッカーサーは御物の代償に
食料を提供することはキリスト教精神に反すると
その気持ちだけを受けたのです


マッカーサーはこの天皇の心に打たれて
緊急食糧支援を行いその結果
沢山の日本人が飢えから救われたのです


第二次世界大戦以降、自由と民主主義を守るために
アメリカは自国の利益も顧みずに軍事的にも経済的にも
世界中に援助をしてきました


特にベトナム戦争の傷跡が国民の間に残っていた1970年代は
アメリカにとって国内の反戦運動によって
世界に対するそれまでの対応に
自信を喪失しかけていました


そんな時に天皇の訪米があり
天皇のアメリカのキリスト教精神に対する感謝の言葉は
アメリカ国民に大きな喜びと自信を与えたのです


戦争はいつの時代も恨みや憎しみを生み
戦ったどちらの国においても葛藤が残るものですが
恨みや苦しみを感謝に変えていくときに
新しい関係が始まることを教えてくれます


国のあるべき元首とは自分の生命のことを安ずるのではなく
ひたすら国民の幸を祈る人のことを言うのでしょう


日本人は自国の歴史や天皇家の存在意義に関して
無関心な人が多いかも知れませんが
この天皇を元首に持つ民族性が和の心や
寛容な精神を生んでいると思っています


血統を重視し氏族メシアの使命を信じる統一運動も
氏族・民族の霊性をどのように将来に継承していくのか
大きな課題と言えるでしょう


それぞれの国にある文化の特殊性を
世界的な神の血統として一大家族理想の中に取り込んでいく為にも
天皇制を大切にし理解することは日本民族の使命だと思っています


国の王とはまさに父母のことです
それは家庭連合が主張する法統という概念を超えた
民族の血統の繋がりなのです

×

非ログインユーザーとして返信する