南北統一の問題点 その2

かつてベルリンの壁が崩壊して東西ドイツが統一したとき
公共的な支出だけとっても、統一の為のコストが20年間に
日本円にして185兆円かかったと言われています
最近の調査では280兆円かかったと言う説もあり
まさに統一には天文学的な費用がかかるのです


ドイツ統一前の東ドイツの人口は西ドイツの四分の一でしたので
西ドイツの負担額はどうにか持ち応えたのでしょうが
今の北朝鮮の人口は韓国の約二分の一なので
韓国の負担額も倍になる計算です


又、一人当たりのGDPも東ドイツは
西ドイツの50%ぐらいあったのに比べ
北朝鮮は韓国の5~6%しかありません


社会整備の為のインフラや国民の生活に直結する社会福祉制度
あるいは義務教育等、北の公共サービスを韓国の水準にまで
引き上げるためには長期にわたる莫大な財政支援が必要となります


また東西ドイツのように自由な移動を認めれば
労働市場を求めて安価な労働力が韓国に流れ
社会不安や混乱はドイツ統合時とは比較にならない程
深刻なことになるでしょう


文大統領が推進している南北の統一を
民族の悲願という感情論だけで片づけ
日本に対しては反日政策を継続しながら
統一の原動力にしようとするならば
日本はきっと対岸のこととして静観するだけでしょう
そうなったとき韓国は一体どこからその費用を
捻出しようとするのでしょうか


日韓基本条約のような平和条約を結んで
北朝鮮が賠償請求をすれば良いと考えているのかも知れませんが
この70年の日韓関係を通して手の内はみんな暴露されてしまい
国民の大多数は「その手には乗らない」という空気が
共通のコンセンサスとして出来上がってしまっています


何度、謝罪しても際限なく謝罪を求められれば
確かにどんな温和な人でも限界が来るのは当然です


それほど日本の一般世論は韓国疲れで辟易しているというのです


重要なことは誰かを頼ることではなく
何よりも韓国の国民にその自覚があるのかどうかと言うことでしょう


南北共同で進める3・1独立運動記念大会を
統一の為の決起大会とするのも良いでしょう
しかし同胞の悲しみを共有するとして
その原因を日本に向けて糾弾する大会なら
単なる自己満足に陥ってしまいます


一人ひとりが統一の為の特別税を払い
自分たちの生活基準を削ってまでも北朝鮮の同胞を援助しようとする決意なしでは
統一は単なるスローガンで終わってしまいます
南北統一は自分たちの身を切るリアルなものなのです


現政権の危険性は本質的な統一の為の共通の価値観とその為に必要な
莫大な財政支援に関して未だ国民に知らせていないことにあります


誰がどのようにして二つの違う価値観を調整し
また統一にかかる財政問題をどのようにして支援するのかといった
地に足をつけた具体的な話し合いが本来は日本や
近隣の自由主義友好国とする必要があるのでしょうが
その兆しは一向に見えてきません


韓国では家庭連合やH1グループが独立記念行事と並行しながら
サミットや各種の大会を開催する計画を立てているようですが
国民を正しい統一の方向へ導くビジョンと具体的な提案が発表され
新たな機運が生まれることを心から願うばかりです

×

非ログインユーザーとして返信する