統一運動における朱子学と陽明学

韓国の儒教は朱子学と言う教えが中心でした
上下の秩序、大義名分、男尊女卑、宗族の大切さ
何よりも礼節を重んじること等々です


その影響が今も残っているので上に立つことが何よりも大切になるのです
受験時期になると親子ともども必死になっている光景がテレビで報道されます
韓国では日本以上に有名大学に入ることが将来を決定する重要なことなのです


朱子学は道徳的優位性を持った者たちが権力を把握出来るという教えですが
一旦権力を握ると彼らは自分たちに対抗する者を敵対勢力として
排斥しようともするのです


歴代の韓国の権力闘争はこの朱子学の伝統を地で行っているので
現政権も保守派の元大統領や司法のトップを次々と逮捕し裁判にかけているのです


日本に併合を求めた韓国の親日派の革新勢力であった一進会は
李王朝の朱子学的権力の乱用を変革させるために日本の明治に学ぼうとしました


彼らは日本と大韓帝国の対等な関係である「韓日合邦」の実現を目指して
李氏朝鮮から脱却した近代化を模索したのですが
急激な西欧の植民地政策の潮流に負けない国を造るためには
余りにも民心の意識が低くこのままでは列強に支配されてしまうという
危機的状況にあったのでしょう
結果として中国、ロシアの大国の影響下にあるより
日本の施政権下に入ることを選択せざるを得なかったのです


しかし日本が朝鮮半島で行った統治政策は韓国が
民族自決の独立運動100周年を祝うような屈辱的なものではなく
李氏朝鮮の非近代的圧政から解放された新しい出発でもあったのです


学校、病院、鉄道、農地改革、民主化の促進、奴婢の解放、
両班による人身売買の廃止、キリスト教や仏教弾圧の禁止、社会インフラの整備など
日本の多額な国家予算を投入して行った政策は
それまでの西洋列強の植民地政策とは大きく異なっていました


しかし如何に朝鮮半島の近代化に貢献したと言っても
それは支配者の論理であることには違いないのです


支配された側、特に李氏朝鮮で朱子学を学び統治していた両班たちにとっては
屈辱であったことも事実なのです
なぜなら朱子学は道徳的優位さを日本に対して抱いていたからです


日本の明治維新における中心的役割を果たした
吉田松陰や西郷隆盛の行動原理は朱子学ではなく知行合一という
陽明学が基本でした


陽明学は私欲のない良心に基づく心と体が一致した生き方を奨励する
現実的な変革思想です
「良心から来るやむに已まれぬ心は私欲によって曇らなければ
鏡のように澄みわたり体制の欺瞞を見分けることが出来る」
と言うものでした


幕府の崩壊はその陽明学徒の精神によって体制を放棄させられたのです
しかし李氏朝鮮では儒教の朱子学で凝り固まった両班たちが
伝統である上下関係を重んじ、下層民に対してはひたすら
彼らの道徳的優位性を誇り、非人間扱いしながら貢ぐことだけを要求したのでした


明治維新の原動力となった陽明学の伝統を持った日本と
朱子学による保守的な韓国とは時代を経ると共に
その考え方は明確に国民性の中にも現れてきました


和を重んじ異文化を受け入れる寛容な態度を美徳とする日本と
中国に属国化され続けてきた文化の根底に流れる事大主義や
民族の恨を乗り越えることのできない韓国と
陽明学と朱子学の思想的影響は両国の民族性の中に
今も見ることができます


こうした思想を統合するものが韓国のキリスト教徒への福音としての
統一原理だったのでしょうが統一運動の国民への啓蒙は殆ど成功しませんでした
また政治的には反日キャンペーンを続ける歴代の大統領に対して異議を唱え
反対意見を言う代わりに謝罪と賠償を容認しただけだったのです


新しい「天の父母様教団」と言う名前にふさわしい行動は
国家的レベルにおいては韓国を父とし日本を母にする
一体化運動を進めることではないのでしょうか
世界中を駆け巡って宇宙の母を宣伝することより
日韓が摂理の中心であると思うのなら両国の一体化に何よりも
組織を挙げて取り組むべきなのです


統一運動はキリスト教の愛の精神を語りながら
実際は韓国の伝統的思想である儒教の朱子学で
日本や世界を治めようとしているかのようにも見えます


奇しくも文師は幼少期に儒教や朱子学を学びながらも
最後に行きついた結論は陽明学なのです


「良心は神に勝る」と・・・・


良心は陽明学の教えである「知行合一」の原動力なのです

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