刻石流水

最後に残るものはその人がどのように生きたかです


大統領になる人もいれば、会社の社長に就く人もいます
有名人になって世の中の人気者になる職に就く人もいれば
スポーツや音楽でスーパースターになる人もいます


それぞれのご縁の中で今ある自分の立場を見つめた時
その自分の辿ってきた人生の軌跡に見えないものの配慮があったことに
気が付くことが大切なことだと思います


トップになることだけが全ての人間の道でないことは
そのトップも無数の人間の支えなしにその位置には立てないからです


リーダーになること指導者になることも大切でしょうが
誰からも知られることなく縁の下の支えになることも大切なことです


そして本当の喜びとは自分が為したことが
誰にも知られなかった時です


殆どの人は自分が成し遂げたことに対して
人々から称賛されることを求めるのでしょうが
本当に偉い人と言うのは誰も知らない善なる行為を
黙々とこなしそれを当たり前のことのように振る舞う人のことを
言うのではないのでしょうか


毎朝、暗いうちに外に出て近所の掃除をしている人がぽつりと言うのです
「毎朝ご苦労様です」
「いやいや、たいしたことではありません。少しでも奇麗になれば自分の心が
清々しくなるので・・・」


一隅の中に永遠の価値があるのは
人間の身体もそのようにできているからです
細胞の一つ一つには同じ価値のDNAが平等に刻まれています
細胞には上下はありません


まさにNUMBER ONE ではなくONLY ONEです


市井の名もない人の心に相対しない神とは何でしょうか?
天下国家を論じることは大切なことでしょうが
その天下国家を「神の国」にするのだと論ずる前に
「誰かの為」と言う行為自体が神仏の顕れであることに気が付くことです
その蓄積なしに理想世界はどこにも来ないからです


「刻石流水


受けた恩はどんなに小さくとも心に刻み
自分が施したことは水に流す
功は人に譲り、恩は心に刻み、憎しみを水に流すような
生き方をしたいものです

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