清平と旅の僧

或る朝、旅の僧侶が美しい湖畔で瞑想していると、天女が下りてきて告げた。


「あなたの日々の行いのお陰であなたの先祖が次々と解放されて輝くような霊界に行けるのでとても喜んでいます」


暫くすると、丘の中腹にある建物の中から奇妙な太鼓の音がするので、建物の側に行って窓の外から覗いてみると、中では沢山の男女が太鼓の音に合わせて体を叩いているではありませんか。不思議に思って尚も見ていると、今度は全員が足を開いて股間を叩き始めたのです。


「はて?こんなヨガはあっただろうか」と僧侶が驚いていると、中から人が出てきたので聞いてみると


「これは先祖の罪の解放をしているところなのです。私たちはキリスト教の聖書の教えを信じていますので、特に股間は原罪を犯したところなので悔い改めて強く打たなければならないのです」と親切に説明をしてくれました。


僧は「ほほう!キリスト教でもそのような考えがあるんじゃ」
ところで「イエス様がここに来られたら同じように先祖の罪を解放するために股間を叩くんじゃろうか?」


「あの方は原罪がない方なので必要ありません。それとあの方の日々の行いのお陰で先祖が解放されて既に輝くような霊界に行っています」


「ではここにきている人たちは日々の行いが良くないのですな」


「はい、だからお金で取引をしています。沢山収めた人はそれなりの霊界に行けるよう配慮しております。またお金を沢山収めた人は特別に教祖夫人との朝食会に参加することもできます」


僧侶は独り言を言いながらそこを立ち去った。


「わしゃ、もともと金なんぞ持っとらん、が、確か誰かがこう言っとったな」


「金持ちが天国へ入るのは、ラクダが針の穴を通るより難しい」と

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