統一原理 統一思想 統一教会

統一とは堕落した人間とこの世界を一つにするための
ワンワールド運動のキーワードでした


ところが統一という言葉の性質を調べてみると
分裂していたものを一つにまとめて支配すること
画一、独占、排除、偏向、強制、束縛、対立
というような負の概念もあることが分かりました


似たような言葉で統合と言う言葉を調べると
いくつかのものを相互に結合させ纏めること
調和、循環、許容、均衡、自由、解放、理解、尊重、互助
と寛大な概念がコトバの要素の中にあるのです


名称とは恐ろしいものです
旧統一教会はまさに統一の言葉通り
良い意味でも悪い意味でも
それら負の言葉の要素全てが当てはまります


統一という言葉はバラバラになったものを
再び一体化する理想的な状態を思い描くのですが
その考え方の根拠に相手を自分の考えに
引き込もうとする傾向があるので負の概念が
みられるのかも知れません


他方
統合には相手の価値観と自分の価値観を
どのようにしたら融合できるのかという広がりが感じられるのです
英語で統合のことをインテグリティ(integrity)と訳しますが
高潔さや誠実さの意味合いも含んでいます


私はブログのハンドル名をワンテイスト(onetaste)としているのですが
それはケン・ウィルバーという思想家の著作名から採ったものです


ケン・ウィルバーは人間の宗教心や思想
意識の進化と社会発展の具体的プロセスを
統一ではなく統合理論として提唱した思想家です


彼の統合の為の二つの重要なキーワードに
「ホロン」と「4象限」という概念があります


「ホロン」という用語を最初に語った人はアーサー・ケストラーですが
その概要は
「存在している宇宙、あるいは人体は全体であると同時に部分であること
この宇宙のどこにも全体だけ、部分だけというものはなく
全ては部分であり、同時に全体即ち『ホロン』である」という統合的な考え方です


例えば人体における各臓器や細胞はそれぞれが個別機能を持っていて
他の臓器や細胞に対して支配的ではなく生命全体の安定性や維持のために
有機的に相互依存しているというようなことです


1.「全体的な目的を離れて、個体的な目的があるはずはなく
個体的な目的を保障しない全体的な目的もあるはずがない
森羅万象の被造物は、このような二重目的によって連帯し合っている
一つの広大な有機体なのである」被造世界を創造された目的・原理講論


2.「人体の全ての器官が頭脳の命令によって起動するように
理想世界の全ての機関も神からの命令によってのみ営為されなければならない
頭脳から来る全ての命令が脊髄を中心として末梢神経を通じて
四肢五体に伝達されるように神からの命令は脊髄に該当するキリストと
キリストを中心とする末梢神経に該当する聖徒たちを通じて
社会全体に及ばなければならない」三権分立の原理的意義・原理講論


3.「人間において、その心の命令が中枢神経を通じて
その四肢五体に伝達されることにより
その人体が一つの目的を指向して動じ静ずるように
天国においては神の命令が人類の真の父母を通して
全ての子女に伝達されることにより
みな一つの目的に向かって動じ静ずる様になるのである」創造原理


最初の創造原理の内容は「ホロン」の概念と同じですが
2と3の考え方は「ホロン」とは若干違います


恐らくこれを纏められた劉協会長は医学を学ばれた方なので
当時の生理学を根拠に書かれたものと思われます


最新の生理学では各臓器や細胞はそれぞれが役割を知っていて
頭脳の命令ではなくそれぞれの相互間の伝達によって
生体が維持されていると説明します


個々の臓器や細胞には自律性を促す情報が内在し
全体を生かすためには何が正しい役割なのかを知っている
ホロン的な概念なのです


もう一つのキーワードは
人間と社会の発達を4象限(私・私たち・それ・それら)
に分類して理論化しています


私:個の内面/思考、意識、心、
私たち:集団の内面/共通言語、倫理、道徳、共有価値、文化
それ:個の外面/身体
それら:集団の外面/社会的システム


人間は「私」と言う内面をもって「私たち」が創り出した
共同体の文化伝統の中で成長し
「それ」である個人の外面をもって
「それら」である社会構造の中で生を営んでいる
そしてこれら全てはホロン構造の上で循環し
互いに関わり合いながら生命体を維持しているというのです


これらの四つの側面はそれぞれが停滞しているのではなく
成長発展しながら全体の統合化を目指していると言うのが
統合進化理論なのです


例えばケン・ウィルバーのインテグラル理論に触発されて
具体的な組織論を展開した人にフレデリック・ラルーという人がいます
彼の発表した「ティール組織論」はビジネス書として
日本でもベストセラーになっています


内容は組織の発達にはレベルがあり
人間の意識が成長するように
組織もより高度で理想的な体制に発展していくと言う
経営者のみならず社会的意識を持った人には参考となる
刺激的な内容が書かれています


レッド衝動型(自分がすべての自己中心型、恐怖による支配組織)
アンバー順応型(ルールや秩序を重要視する政府機関や軍隊組織)
オレンジ達成型(合理的かつ効率的な実力中心の組織)
グリーン多元型(ボトムアップの多様的な組織)
ティール進化型(生命体に似た自律性を尊重する組織)


現在の家庭連合はどのあたりかなと思っていたら
「日本人による世界人の為の家庭教会」のブログに
ティールパラダイム(価値観の劇的な変化)という項目があって
このティール組織に関して既に書かれてありました
家庭連合の現状の組織をこの考えに沿って分析されておられますので
現状の組織の在り方に疑念を持っておられる方は是非お読みください


世の中では既に数多くの組織が変革へのパラダイムシフト
(価値観の劇的な変化)を起こしています


家庭連合での内向きの大会や指導者の信徒に対する内容が
あまりに旧態依然の固定観念にとらわれていると
変化する現代のパラダイムシフトに本当についていけなくなります


統一への道は自分たちの価値観を強要することではなく
他の価値観を如何に融合し統合出来るかに変換させるべきなのです


絶対善霊が必ず協助し
霊界のアボジが導いてくれるはずだと信仰することは勝手ですが
2020年までの国家復帰がシャーマニズム的価値観を原動力として
真の母に絶対服従すれば実現できるなどという共同幻想の世界は
あり得ないと言う現実に早く目覚めるべきなのです


ノストラダムスの預言やカルト宗教の預言には常に霊界や
目に見えない世界を背景にした権威が無知なる人の心を支配してきました


2020年が何事も起こらずに過ぎるとまたそのことに関して
お言葉が下りるのでしょう


「あなた方が責任分担を果たせなかったから延長しますと」
希望と恐怖が表裏一体となった指導ではなく
この世の中に現実に生起している理想的な組織の在り方を
積極的に導入しアベルから言われたことのみ
原理に書かれたことのみを絶対視するのではなく


新たな創造原理を構築していく勇気と先見性を持つことが
必要なのです
この世の社会変革は誰かが持ってきてくれるものではなく
創造するものです

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