普遍的価値の重要性

理想世界とは思想や信条、宗教の違いをお互いに受け入れることが可能な
多元性を統合できる社会であるべきではないのでしょうか


こういうと真の父母を人類が受け入れない限り
理想世界は不可能だと原理主義者は主張するでしょうが
文師は原理と言う普遍的真理は既に様々な宗教や
人間の良心それが導き出した道徳律
或いは科学的法則の中に現れているので
それらを統合すれば良いという考えだと思っています


宗教組織の最大の欠点はそれぞれの思想や教義を盾にすると
その正当性を巡って血で血を洗うような闘いの歴史になるからです
キリストやマホメットの名のもとに今も民族と民族が国と国とが戦っています


また宗教は歴史を通して民族や国の文化に大きな影響を与えたことも事実です
宗教的信条が人々の生活の中にまで浸透しているのです


年末年始になると日本では神社参拝をします
一年の終わりを告げる除夜の鐘は日本人の心に
新たな年を迎える清々な心情を齎し
年が明け正月になれば玄関には門松やしめ縄
供えた餅を食する習慣は
神道や仏教に影響された生活化された日本の文化です


クリスマスの時期になると西洋諸国では
街角からクリスマスキャロルが聞え
キリストの生誕を祝う厳かな催しが各地で始まります
クリスマス期間中は学校も職場も閉じて家族や親せきが集まり
何よりも人間の根源的な愛を伝えたキリストの文化が
生活化されているのです


イスラム教徒は豚肉を食しません
菜食主義者の仏教徒やヒンズー教徒も
それぞれの生活に根差した文化があるのです


宗教が齎した教義が文化となり伝統となって
人々の生活の隅々に浸透しているように
統一運動にも韓国の伝統に根差した
様々なしきたりや儀式があります


教会では心情文化と呼ぶのでしょうが
こうした統一教会の儀式や伝統はどのようにして
普遍化した世界文化となるのでしょうか


それぞれの国で生活化された宗教文化に受容されるためには
多文化を受け入れる大きな素地がなければなりません
仮に自分たちの教えを相手に強要するならば
この運動は歴史の失敗を再び繰り返すことになるでしょう


統一が未だ果てしない道の彼方にしか見えないのは
それぞれの国や地域で受け継がれてきた
民族固有の文化の中にある普遍性のあるものを尊重し
受け入れるべきなのにまだまだ自分たちの教義に基づいた
慣習や伝統を最重要視し
多文化に受容されるまでに運動自体が育っていないのです


昨今の教義論争がそれを裏付けています


また集会を開くたびに韓国語で日本人が家庭盟誓を何回唱えても
言葉が分からないものにとってはただの虚しい音の響きに聞えるだけでしょう


自分たちだけの民族の伝統を普遍的なものとし
他民族に押し付けていればその次元で終わってしまいます


超宗教運動の本質は神の下にある人類の共生です
それぞれの宗教の普遍的価値を中心に
その価値観から導き出る道徳的・精神的なものを共有し
寛容な精神で文化の多様性を認め合うことによって
初めてお互いを受け入れる出発点に立てると思うのです


如何なる宗教も教義の正統性を主張すれば必ず教義論争が始まり
それが分派を生み解釈の相違点が統一を阻止することは自明のことなのです


神は無形なる心情の神です
心情は人間の心に現れるものです


自分が感じ触れる事物との関係の中で心情が愛に繋がり
それが神なのだというところまで実体生活を通して体験できるでしょうか?


神は宗教組織の教義の中に鎮座する神ではなく
また天空に漂う神でもありません


生きて一人一人の心情に臨む以外に
どこに現れると言うのでしょうか


文師が辿った心情路程を追体験する時
そこに各自の心が共鳴する存在が神なのです
服従するとは自分の心の中の良心に服従することだと思っています


メシア思想とは神の心情に出会った師を慕いながら
同じ神を自己の内部に発見することなのではないのでしょうか

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